私は特別な手法やツールなどは使っていません。しかし、学生時代に演劇部で脚本・演出を担当していたことと、テーブルトークRPGのオリジナルルールとオリジナルシナリオを作成したことがあるので、もしかしたらこれらの経験が役に立っているのかもしれません。ですので、これからの説明において何故そうするのか?、何故そのような判断をするのか?といったところ理由が判然としないやり方が出て来るかもしれませんが、演劇やテーブルトークRPGの経験から無意識的にそのようにしている可能性も考えられます。できれば、自分でも暗黙的にやっていることを、こうやってふりかえって文章化することで、その行動や判断にいたるパターンを見つけ出せればと思います。
(※ 前回からそうですが、この一連の文章はアジェンダもシノプシスも用意しないで思いつくままに書いているので、どういった方向に進んでいくのかは私にもわかりません)
ワークショップ設計で最初にやることは、ワークショップが何を目的としているのかを整理することです。ワークショップは技術や手法の習得の場であるので、何らかのトピックについて体験をしながら学ぶことになります。例えば、ビジネスモデルキャンバスについて学びたいのであれば、ビジネスモデルキャンバスを描いてみるということです。
ビジネスモデルキャンバスのワークショップの場合、それを企画し依頼した方達には、ビジネスモデルキャンバスを用いてやりたいことがありました。それはビジネスモデルキャンバスを描くスキルによって現状に変化をもたらしたい(良い影響を得たい)という意思がありました。ワークショップを設計する時、初期段階でもっとも重要なのは、この学んだことを使ってどうしたい、どうなりたいのかといった背景や目的を知ることだと思います。可能であれば、受講者の仕事ぶりなどを観察できればベストですが、実際のところそこまではできないので、企画した人達に依頼に至った背景、現在の仕事の課題、ビジネスモデルキャンバスを通じてどういった状態に達したいのか、といったことをなるべく細かにヒアリングをしていきます。こうした準備の前の準備とも言える活動をしっかりやることによって、活きたワークショップになるか、単なる知識習得の場で終わるのかが分かれてくるのだと思います。
(補足)
単純に、特定のトピックについて学ぶワークショップもあります。背景の異なる場(例えばコミュニティ等)で実施する際は、背景、現在の課題、理想の状況などを調査することが難しくなるかもしれません。この場合、徹底して抽象的で背景や目的を問わずに理解してもらえる説明を心がけるか、対象を絞りはするもののワークショップの際に「この例では〜」といった説明をしてフォローをしていくことになります。
個人的な見解ですが、ビジネスモデルキャンバスだけでビジネスモデルの分析や立案が上手くいくとは思いません。ビジネスモデルキャンバスは汎用性の高い優れたフレームワークですが、状況に応じて補助ツールを使っていくほうが良い場合があります(恐らく、補助ツールを使うよりもキャンバスそのものを改造するアプローチの方が多い)。しかし、ワークショップにおいてどういった補助ツールを利用するのかは、受講者の背景・課題・目的によるのだと思います。
(つづく……かも)
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