2014年3月11日火曜日

「ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則」からのメモ(1)

「ザ・コピーライティング―心の琴線にふれる言葉の法則」を去年から読んだり読むのやめたりしていてしばらく放っておいたのですが、またあらためて読み始めてみました。コピーライティングとかものすごーくうさんくさい感じがしてあまり好きではない分野だったのですが、仕事で必要になったという有無を言わせない状況に追い込まれたこともあり、ちびちびと読んでいるのであります。しかし、この本、思った以上に面白く学びが多い。ちょっと気に入った箇所があったので途中を抜粋(青字)してメモ。


訴求ポイントを自分自身で試してみる

 ある方法を使えば、適切な訴求ポイントを見つけることの重要性がよくわかる。同じ製品やサービスに2種類の見出しを用意して、その宣伝効果を自分で試してみるのだ。たとえば、歯磨き粉の広告2種類の見出しを見せられたとする。

[広告1]
A社の歯磨き粉は、世界中のどの歯磨き粉よりもたくさん売れています。

[広告2]
B社の歯磨き粉は、特許取得の特殊チューブ入り。キャップがチューブに固定されているのでなくす心配がありません。

言うまでもなく、広告1のほうが説得力のある訴求だ。A社の歯磨き粉が世界中のどの歯磨き粉よりも売れているならいい商品に違いないと、人は当然思う。広告2はマイナーな点を強調しすぎだ。
 ここで仮に、A社の歯磨き粉は世界で1番売れているという広告がいい加減な作りで、書体の選び方はまずいし、ビジュアルも一切なく、色刷りではなくモノクロだったとする。
 一方、キャップをなくす心配がないと言っている広告が美しい4色釣りで、ビジュアルにはお金のかかったイラストが使われているとする。自分の判定は変わるだろうか?
 たぶん変わらないだろう。ベースとなる訴求そのもののほうが、それをどう見せるかよりも人を動かすからだ。
 では、広告2にちょっと変更を加えてみよう。
「キャップをひねって外さなくても、簡単にポンと開きます」
 とする。
 もしこの広告がお年寄りをターゲットにしたものだとしたら、お年寄りは小さなものをつかみにくいことがよくあるわけだが、それでも広告1の勝ちだろうか? こうなってくると、結果はまったくわからなくなってくる。それを知る方法は、1にテスト、2にテスト、ひたすらテストすること!

思い込みに頼らないでちゃんと検証をしなさい、という話でリーン・スタートアップとか好きな人からしたら当たり前のことなんですが、この「コピーライティング」の原書初版は1932年(※ 4回改訂したそうだから、原書初版でこのくだりがあったかは不明ですが)だったりしてとても驚いたわけです。
古典から学べることって多いよね、と小並感でこのエントリーはおしまいです。

0 件のコメント: