2012年7月19日木曜日

見慣れない形状に「クソデザインが」と言う前に、何でそのようになったのか制作者の意図に思いを巡らせる


サービスやプロダクトのデザインがリニューアルされるとだいたいにおいて「使いづらい」「改悪」「元に戻せ」「iPhoneを見習え」みたいな意見が続出したりするわけですが、ダメだと言う前にちょっとぐらい何でそうなったのかを考えるのは悪くないと思います。

先日、エアコンを使わない主義の我が家(金がないともいう)で東芝の扇風機を買ったのですが、Amazonのカスタマーレビューを見ると「だいたい良いけどリモコンの収納方法が残念」とありました。たしかにアクリルでできたリモコンケースをフックで扇風機の柱部分にひっかけるだけの作りはちょっと雑なように思えました。が、しかし、よくよく考えてみるとリモコンって本体と離れたところで使いますよね。つまり、本体にアクリル製リモコンケースを装着するシーンはそんなに多くはないはずです。むしろ、簡単な作りのリモコンケースだからこそ、ご家庭内の好きなところにちょっとした工夫で設置することもできるでしょう。意外と合理的なデザインなのかもしれません。

一見、残念に見えるのだけど、ちょっと考えてみると悪くないかも、と思えることは多々あります。この扇風機の場合はもしかしたら設計者はユーザーの利用シーンまで想定した上で、リモコンは本体にキレイに収納されるよりも離れたところで気軽に設置してもらう方が、ユーザーにとって利便性が高いと考えたのかもしれません。あくまで推測ですが。
(しかし本体コンソールに比べてリモコンそのものの作りがチープなのでたまたまなのかな?)

正しく「デザイン」をしているのであれば、そこにはユーザーに対するデザイナーの意図が存在します。その意図を汲み取ってみると、意外といいじゃんということはあるかもしれません。逆に言うと、私たちは何かをデザインする際にユーザーに対して必ず「意図」もつべきだということです。何となく良さそうだからとか、これはそういうものだから、ではなくて。




多分ね。