あらゆるモノゴトには熟練度や習熟度があってそれを基準にして自分(達)のレベルが如何ほどなのかを知ることが出来たりする。CMMIとか。
プレゼンテーションやスピーチにもそういうものがあっても良いと思う。というのも、プレゼンテーションに関するWebや書籍の記事を読んだり人からの話を聞いて思うことは、それはどのようなレベルの人を対象にしているのかが不明瞭なことが多いからだ。よって、その参考になればと思い書き始めたが早々につまづき完全にネタエントリーになった。正直今は反省している。
0.補助兵
補助兵は戦闘訓練を受けていないため戦場で生き残る基礎的な技術を身につけていない。よって普通に考えれば戦線に投入されることもない。
しかし古来より、戦わせてみたら思いのほか強かった例はあり、有史をたどれば、ジャンヌ・ダルク、ジュドー・アーシタなどがそれに該当する。ここで注意が必要なのだが、世間に広く知れ渡る偉業というのは、ある種の天才が時節を味方にし奇跡的なタイミングで事を為したからこそであり、誰でも知っている=当たり前と勘違いをしてしまい自分たちでもできるのではないかと思えてくるが、当然、私たちのような凡人が真似できるわけではない。そう、現実はアニメじゃない。
1.足軽
足軽は一応、戦闘訓練を経て戦線に投入される。よって一般的なスライドウェアである Powerpoint もひと通り扱うことができる。戦法は至ってシンプルで、長槍に見立てたテキストをフォントサイズ20pt以下に研ぎ澄ませ、ひたすら箇条書きをそのまま読み上げて攻撃をする。箇条書きを8コ以上並べることはザラで、その箇条書きが3段にネストしていることすらある。これを専門用語で「箇条書き衾(かじょうがきぶすま)」と言う。
この箇条書き衾は運用が比較的に容易であり、とりあえず思いついたことや調べたことを貼って並べておけばいいので、お手軽に戦線投入できる。しかしその反面、攻撃パターンが単調で、読み上げている箇条書きを「先に客に読まれ」、話の展開を推測されやすい欠点がある。
今ではプレゼンテーション禅の影響もあって何かとDisられる足軽スタイルだが、持ち時間をしっかり使い切るだけでも立派なプレゼンターなのだ。戦場慣れしていない人はここから始めても全く問題ない。
2.弓兵
箇条書きを抜けだし、大きなフォントやインパクトのある画像を使う者を弓兵と言う。弓兵にもいろいろな種類がおり、パンチの効いた鏑矢のようなスライドを使う者もいれば、コマ送りかと言いたくなるようなスライドを使う者もいる。また「その画像、どこで探してきたの?」と言いたくなるような、とんでもない攻撃を繰り出す者もいるが、これは弩兵である。ちょっと仕組みが異なる。
良い弓兵は訓練を重視する。放つ弓の調達にも余念がない。そしてターゲットをよく観察している。己の弓の放つタイミングをよく心得ているものだ。
ここで注意が必要なのだが、腕前の良い弓兵はとても優雅にネタという矢を放っているように見えるが、訓練と経験によってそのレベルに達したのであり、決して楽はしていない。表面上だけ弓兵の真似をすると、放った弓が客に刺さらず「外す」事になる。外した弓兵の末路は悲惨で客の冷たい目線によって袈裟に切られるだけである。また、一の矢を外した場合、二の矢も当然外す確率が高くなるわけで装填した弓が重荷になることもある。
3.鉄砲兵
今のところ、鉄砲兵は少ない。稀少価値がある。その存在だけで目立つことだろう。どういった者が鉄砲兵に該当するのかというと、プレゼン中に通常は使わない動画などを見せてくる。動画は強力だ。音と映像の二本立てで客をびびらせることができる。これには弓兵では太刀打ちできない。
しかし鉄砲は運用が難しく、準備にも時間がかかる。オリジナルの動画を高品質で制作しようとすると高価なツールが必要になり、これを使いこなすのにもまた時間がかかる。そして鉄砲を扱っている間は基本的には何もできない。この間、ツッコミなど入れられようものなら黙って切られる以外術はない。また使用できる場が限定され、昼間に行うビジネスマン向けの湿っぽいイベントには向かない。火薬が湿気って効果が発揮されないのだ。一撃は強力ではあるが、運用が難しい。それが鉄砲兵の悩みである。
上手くやるコツは弓兵と共通する部分が多く、弓を放ち飽きた人はやってみると良いかもしれない。
4.騎馬隊
騎馬隊は縦横無尽である。客が椅子に座って低くなっていることをいい事に、づかづかと客席に入り込み微妙に高いところから接近戦をしかけてくる。しかし攻撃パターンは前述の3兵科のいずれかと同様になり、多くは槍を駆使するが、弓や鉄砲を使いこなす騎馬隊はかなりの手練だ。しかし戦場が足場が悪く「有線マイク」であったり、そもそも馬に相当する「リモコン」がないとどうにもならない。またリモコンは機種によって移動可能な距離が違うので要注意。さらにリモコンの電池切れとか、OSが認識しないとかもうね…。
5.大将
大将は理屈などいらない。「やあやあ我こそは…!」と名乗るだけで充分に人目を引きつける。なんせ大将なのだ。あえて言えば堂々としてれば大丈夫だろう。
ただし注意がある。大将の首が取られることは戦の負けを意味する。つまり、大将の戦闘スキル=組織の戦闘スキル と思われることがあり、大将のプレゼンがコケれば組織ごとコケることもあり得るわけだ。
しかし一騎駆けの達人であるスティーブ・ジョブズのような大将の場合、むしろ組織の成長を大いに促進することもある。
よってプレゼンは重要だ。どこぞのJC(JKか?)に
「◯◯のスマートフォンをもっていればクラスで人気者になれる♪」
とか棒読みさせてる場合ではないのである。
多分ね。
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