2010年6月10日木曜日

「デザイン思考のワークショップ」の前に言いたいことがある

(感情優先で書いたから、もう、あらゆる意味でごめんなさい。)


曖昧な記憶で申し訳ないですが「ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト」に「かつてモノは作り手と使い手の距離が短く(ほぼ直結)、作り手は使い手のためにものを誂えていた」といったことが書いてありました。(ちがってたらゴメンナサイ)
衣服もそう。着る人の体型に合わせて一着一着ごとに誂える。
オーダーが当たり前で親子代々で手直ししながら使うことも当たり前だった。
これが一点モノが当たり前の時代です。

しかし産業化、工業化、ユニバーサルデザイン等々で「誰にでも使えそうな無難なものを手に入れる」時代になった。
言い換えると、平均的なつくりのものに慣れなければならなくなった。
これが今の時代です。

そして問いたい。

私たちはユーザーの要求をくみ取ってITシステムを作り、使っていただいています。
なんで?
「今の時代」だからパッケージ製品がいくらでもあります。
ERPでもSFAでもCRMでもどの分野にも良くできた製品がなんでもあります。
SaaSでもいいです。契約すればすぐ使えます。
じゃ、何故それら使わないのでしょうか?

それはユーザーの要求自体が一点モノの色合いが強いから。
ユーザーのユニーク(この表現は微妙だが…)なビジネスをより強化するために一点モノのITシステムが必要だから。
要求を分析する過程をもって業務の改善に取り組みたいから。
だから「今の時代」においても「一点モノ」のシステムをオーダーするのです。
そうして私たちは報酬をいただいています。

そして問いたい。

このことについてどれだけ真剣に考えたことがありますか?
ユーザーはシステムを発注し、SIerやベンダーはシステム開発を受注するもんだ、と漠然と考えてませんか?

あわせて問いたい。

「デザイン」ってなんですか?
Webアプリのスタイリングがデザインなんですか?
フレームワークの組み合わせることがデザインなんですか?
実装方式を決めることがデザインなんですか?

デザインはもっと広い意味があります。
ITシステムにおいてはユーザーの使い勝手はもちろん、管理のしやすさ、手直しのしやすさもそう。
それにはネットワーク、サーバー、DB、採用する言語、セキュリティやらなにやら、きりがないくらい考えることがあります。
そして大事なことはITシステムを取り囲む人をふくめてシステムをデザインするんだという感覚。
システムはITの世界に閉じたものではなくて、人がつかって意味があるもの。

そういったことに丸一日かけて向き合うためのワークショップを予定しています。
参加人数の上限はそれほど多くありません。
でも『デザイン』に興味がある人たちで集まり、考え、会話し、実際に手を動かしてみる。
本を読めばわかるとかいうレベルじゃありません。
この場に来て真剣に向き合って体感するからわかることがあるのです。

詳細をあらためてお知らせいたします。