2008年4月10日木曜日

[Project]PMOってなーに?

社内のメンバーに私なりのPMOが何かを伝えたくて書きました。
以下、本文。


はじめに

PMBOKのPMOの定義を確認

******PMBOK3版より******
1.6.4 プロジェクトマネジメント・オフィス

プロジェクトマネジメント・オフィス(PMO)は、その管轄下にある複数のプロジェクトのマネジメントを一元化し、調整を行う組織の一部門である。PMOは、「プロジェクトマネジメント・オフィス」、「プロジェクト・オフィス」、または「プログラム・オフィス」と呼ばれることもある。PMOは、プロジェクト、プログラム、またはその両方を監視する。PMOによって支援または管理されるプロジェクト群は、一緒にマネジメントされるということ意外に相互の関係はない場合もある。もちろん、関係のある複数のプロジェクトの調整およびマネジメントをPMOが行う場合もある。多くの組織において、PMOがプロジェクトを調整し、マネジメントする方法に従って、複数のプロジェクトは実際にグループ化されるか、または、関係付けられる。PMOの主たる関心事は、親組織またはクライアントの全体的なビジネス目標に関連するプロジェクトおよびサブプロジェクトに対する計画調整、優先順位設定、および実行ということである。

PMOは、トレーニング、ソフトウェア、標準化された方針および手続きという形態でのプロジェクトマネジメント支援機能の提供を始めとし、実際の直接マネジメントやプロジェクト目標の達成責任に至るまでの連続的な範囲全体の中で、種々の機能を果たすことができる。ある種のPMOは、権限の委譲を受けて、中心的なステークホルダーとして行動し、また、各プロジェクトの初期段階時の重要な意志決定を行うことがある。このPMOは、提案の権限を持ち、ビジネス目標の一貫性を保つためにプロジェクトを中止することもできる。さらに、このPMOは、必要に応じて、複数プロジェクトを兼任する要員や、プロジェクト専従要員(可能な場合)の選択、マネジメント、再配置に関与することができる。

******ここまで******

分解

■前半部分
読む人によって解釈が大きく異なることはないと思うので放置

■後半部分
ここからが濃い

> PMOは、トレーニング、ソフトウェア、標準化された方針およ
> び手続きという形態でのプロジェクトマネジメント支援機能の
> 提供を始めとし、実際の直接マネジメントやプロジェクト目標
> の達成責任に至るまでの連続的な範囲全体の中で、種々の機能
> を果たすことができる。

これはPMO管轄下ある全てのプロジェクトの成功に対して責任をもち、あらゆる手段で実施や支援をしろ、ということです。
「連続的な範囲全体の中」という表現がミソ。プロジェクトは様々な要因が集合しているので、何か一つの課題を解決したら即、プロジェクト成功というのは難しい。
「制約条件の理論(ボトルネックがなんちゃらいうやつ)」を参考にすると、一つのボトルネックを解決すると別の場所がボトルネックになると説明しています。言い換えれば改善活動に終わりはない、ということです。極端な話、短所と思われる箇所を全て改善したら、いままで長所と思っていた箇所が短所に変わることもありえます。

> ある種の
> PMOは、権限の委譲を受けて、中心的なステークホルダーとし
> て行動し、また、各プロジェクトの初期段階時の重要な意志
> 決定を行うことがある。このPMOは、提案の権限を持ち、ビジネ
> ス目標の一貫性を保つためにプロジェクトを中止することもで
> きる。さらに、このPMOは、必要に応じて、複数プロジェクト
> を兼任する要員や、プロジェクト専従要員(可能な場合)の選択、
> マネジメント、再配置に関与することができる。

私の個人的な解釈は「組織とそれに関わる全ての人を守れ」という意味合いととらえています。
だいぶ端折った見方ですが、こう言うと重いですよね。。。
これを行うには、IT業界においてはテクニカルスキルも重要ですし、プロジェクトをまとめるマネジメントスキルも必要です。また正しいものがいつでも成功するとは限りません。
一方的な見解による無理難題は政治的なスキルで解決することも必要です。

ここで「タケの働く会社」のこれまでを振り返ってみます。

先月PMOの活動が止まった理由は何だったでしょうか?
みんなで時間をつくって集まった課外活動が半ば空中分解し、参加メンバーにそのアウトプットを提示できなかったのは何ででしょう?
かつては行われていたという月1飲み会をやっていないのは?
勉強会は業務という形で○○さんが実施するようになりましたが、かつてのように有志が講師の役をかって行うことは減りました。

極論、みんな目の前の仕事が忙しくて時間がとれないせいです。
(メンバーが増えたこともそうですが、あえて置いておく)

新しい取り組み、新しい技術の習得、それらに対するメンテナンス活動、何をやるにしても時間が必要です。モチベーションを上げるための施策、コミュニケーションを深めるための行事だって時間が必要です。

当たり前だけど、これらの時間をとるための試みが二の次になっていました。
だいたいが厳しいプロジェクトをやっていたがために、そういった状態になっていたのだと思います。

じゃ厳しいプロジェクトって何であるの? と。

これは内的要因、外的要因が複雑に絡むので答えを単純に言うことは無理です。
とは言うものの、私、個人的な意見としてクラスメソッドの場合は無計画なプロジェクトのキックオフが原因のほとんどであると思います。
また営業サイド、情シスサイドの連携ミスや齟齬もあるでしょう。

よく言うように炎上する案件は炎上するべくして炎上する。
デスマーチプロジェクトはプロジェクト始まる前から決まっているんです。

難しい課題ですが情シスメンバーの稼働率を下げ、新しい施策のための時間を作り出し、効果的な取り組みを行って、会社とそれに関わる人達の成長と幸せを促す。
それを目指すのがPMOの存在意義だと思っています。

でも難しい。
ちょー難しい。
解決する課題は一つじゃありません。前述したように「連続的な
範囲全体」なのでやることいっぱいあります。
営業と上手く連携することも必要です。
メンバーのスキルをどういった方向にのばしていくのか、これはテクニカルな課題もありつつマーケティング的な分野にも関わってきます。
「タケの働く会社」の生産性を考慮して他社に勝てる見積もりをだして、その上でみんなまともな時間で帰ってもプロジェクト成功、というのは本当にいろんなことを改善しないとたどり着けないと思います。
まじでマーケティングも必要ですね。
PMOじゃなくてPMMOにしたいくらい。

とは言うものの「タケの働く会社」にとってPMOは心臓であり脳でもあると思います。
JavaにたとえたらきっとJVMでしょう。よくわからんけど。
それだけスゴイぞ、と伝えたかったのです。