2008年3月24日月曜日

[Project]見積もりは誰のもの?

・見積ってなによ?
まず見積もりって人や役割によって意味が違います。
私は営業みたいな役割になることが多いから見積もりの「コスト」についてフォーカスするし、エンジニアだったら実現手段やかかる工数、プロジェクトマネジャーとかならスケジュールにフォーカスすると思います。
なので「見積もり」じゃなくて「プロジェクト計画」ですね。コスト、スケジュール、リソース、品質、などなどを統合して計画になるはずです。まずこれ前置き。

・プロジェクトに計画が必要なわけ
PMBOKにはプロジェクトの特性として下記の三つが記述されています。
1.有期性
2.独自性
3.段階的詳細化
大ナタ振って言い換えると「二つとして同じものはない」です。定常業務じゃありません。
定常業務でない以上、プロジェクトをどのように始めて、どのように進めて、何をもって終了とするのか? 期間はいつか? 実現手段はどうするか? などなどをステークホルダーで合意をとる必要があります。とれなくても宣言くらいする必要があります。
にも関わらず予算だけ決めて「あとよろしく」は愚の骨頂です。
人月見積もりについて話題になることがありますが、人月のコスト見積もりが間違っているんじゃなくて計画性のなさが問題なはずです。
補足しますが計画が全てといっているわけではありません。計画は思った以上に簡単に壊れます。しかしそれをメンテナンスしながら、調整しながらプロジェクト完遂に向けてやりくりしていくことが大事なはずです。

・見積もりって…
何気なやりとりをしてる見積もりですが、ソフトウェア開発会社にとって開発プロジェクトは主業務であることはもちろんですし、その企業のありとあらゆる能力が如実に表現されます。それはプロジェクトの計画をしっかり作成した上で出てくるものであるべきだし、その重要性を認識するべきです。
「とりあえず見積もり書いて」とか
「すぐに見積もり書いてもってきます」とかは責任感が希薄だと思います。そんなノリだから人月ベースのいい加減な見積もりが横行するのではないでしょうか。

・見積もりは誰のもの?
開発会社として、そのプロジェクトをどのような計画をもって進めていくのか、という問題は営業担当者が決められるものではありませんし、エンジニアが一人で決めていいものではありません。会社のナレッジから得られるものは重要ですし、利益率をおろそかにしてはそもそも会社の経営自体が危うくなります。これは組織内に技術、経営、マーケティングを把握し、これまでのプロジェクト計画と実績をしっかり管理している担当部署を作る必要があるということではないでしょうか。
一般的にはPMOといった担当部署を設けてプロジェクト計画の統合を行うことになるはずです。

見積もりはとても重要なものですし、各担当者が個人でどうにかして良いものではありません。
だからといって、各担当者がまったくかかわらなくていいものではなく、むしろ積極的にかかわっていくべきだと思いますし、集合知のようなものがプロジェクトの計画の妥当性と見積もりの正しさを向上させていくのかと思います。