2008年3月6日木曜日

[RIA]RIAについて考えてみた

営業時に技術の話を一切しないでRIAとは何かを説明しようと思ってとりあえず書き出してみた。

推敲はこれから。
「どっかで聞いたような話。。。」もあるので、そこも自分の言葉におきかえる。
でも暇があったらの話。


「RIAの利用について」

1. 導入

1.1 RIAのイメージは?
RIAのイメージについてどのようなイメージをお持ちでしょうか?
Flash等の要素技術を思い出す方、見た目のカッコ良さを想像される方、操作性の優位性を考える方、ユーザビリティやユーザーエクスペリエンスといった言葉を思い出す方もいらっしゃるでしょう。それらは間違いではありません。いずれの言葉もRIAをあらわす特徴の一つと言えます。
そこでRIAは何をしてくれるものなかのか? 従来のWebアプリケーションとはいったい何が違うのか? この記事ではそれらを技術的な単語をなるべく使わずに解説したいと思います。

1.2 「おもてなし」について
私が妄想する高級レストランでは、訪れたお客さんは下記のようなサービスを受けられることと思います。

・身なりがきちんとした「ギャルソン」と呼ばれるスタッフがあなたを席まで案内するでしょう。
・もちろんさわやかな笑顔つきです。
・あなたがメニューの中からどういった料理を選ぶのか助けてくれるでしょう。
・その際、あなたがフランス語が読めなかったり発音ができなかったりしても小馬鹿にした態度はとりません。
・(フランス語を読めない)あなたがメニュー選びに迷っているようなら、シェフのおすすめなどを提案して、あなたのメニュー選びを助けてくれるはずです。
・場合によっては嫌いなものや、アレルギー反応を起こしてしまう食材を避けるようアドバイスしてくれるかもしれません。
・その際、発生する気難しい職人肌のシェフとの面倒くさい交渉も引き受けてくれるはずです。
・メニューを注文し終えるとギャルソンとは別に「ソムリエ」と呼ばれるスタッフがあなたにワインや飲み物を進めてくれるはずです。
・もちろんソムリエはあなたが主要なワイン銘柄をちっともしらなくても、あなたの懐具合を察してその場に適当と思われるワインを提供してくれます。
・そしてより食事を美味しく、楽しくするためにメニューにまつわるトリビアも教えてくれます。

これら高級レストランのイメージを記述しました。さて、ここでWebアプリを思い出してください。あなたが良く使うもので構いません。まず見た目。あなたが目的を達するためのメニューはわかりやすく表示・配置されているでしょうか? 作業の順序。使い方を悩んだりしていませんか? 慣れてしまっているかもしれませんが、よく見ると押したことのない謎のボタンも並んでいませんか? たまにキーを間違えて意図しない動作をしたりしませんか?
これは極端な話、あなたの使っているアプリはあなたを「おもてなし」していないかもしれません。食事で例えると、ただ積まれただけのおにぎりなのかも…?(決しておにぎりを馬鹿にしているわけではありません)

1.3 インタラクションの効用
ユーザーが目的を達するためにただしく導くことを「インタラクション」と言います。こう書いちゃうと簡単そうですね。ところがこれが、そうは簡単に片付かないのです。たとえば仕事場において春先によく見かける光景です。業務システムの使い方について会話をしています。

新人さん「○○さん。これ、この先、どう進めていいのかわかりません?」
○○さん「これはメニューからこれを選んで」
新人さん「…」
○○さん「ここでこれとこれを選んで画面を切り替えて」
新人さん「…」
○○さん「切り替えた先のサブシステムのメニューを選んで、さっき何が表示されていたのかを忘れないでね」
新人さん「…」
○○さん「ここでショートカットでCtrl+*で、、、」
新人さん「…」
○○さん「それでデスクトップ上に保管してあるExcelファイルの中身をコピペすれば完成。わかった?」
新人さん「もういっかい、最初からお願いします」

※ 業務においてExcelの使用率は限りなく100%に近いだろう。だけど忘れてはいけないことがある。私たちはこの自由度がべらぼうに高いOfficeソフトを自分たちの業務に合わせるためにとてつもないカスタマイズを施すこともあり、さらにファイル管理も煩雑になりがちで、必要な業務を行う前の準備の時間に費やしている。

仕方ないとは言えますが時間の無駄ですね。時間=コストです。こんなやりとりが新人さんが来たとき、新しいアプリが導入されたとき、機能に修正が加わったときに行われているのならうんざりです。


2. 考えて、実行して、確認すること

2.1 多くの事で共通する行動
さて話はまた脱線します。が、ちょっと原則的な話です。
モノゴトを行うときの共通点は

1.考える
2.実行する
3.確認する

です。
いろんなことをこれであてはめて考えることが可能です。多くの場合、このプロセスを経ているはずです。たとえ無意識であっても。例えばゴルフ。(どこに打つのか)考えて、(ショットを)実行し、(ボールの行方を)確認します。お仕事でもそうです。計画して、実行して、成果を確認します。この3つからなるプロセスは目的を「正しく」果たすための最短パスです。どれかが欠けると問題がおこります。

1、行き当たりばったり
2、口ばっかり
3、やりっぱなし

いずれかです。
ではアプリの場合。それもダメなアプリの場合はどうなるでしょうか?

1.考える
2.使い方に悩む
3.実行する
4.不安になったので
5.確認をする

目的を達成することに意識が欠けてしまうかもしれません。人間の集中力は有限です。使い方で悩んで仕事の本質から外れてしまうのはもったいないですよね。より効果的に、効率よく目的を達成するために集中力は使われるべきです。確認の作業も仕事の成果を確認し、次につなげることに使うべきです。操作が正しいか正しくないかに多くの集中力を割かれるのはもったいない。

2.2 おもてなし
「おもてなし」にもどります。
高級レストランではあなたが食事を楽しむための手助けをしてくれます。
高級なホテルではあなたが心地よく滞在できるよう手助けをしてくれます。
この手助け=おもてなしがアプリケーションに必要なのです。
RIAとはまさにそれを実現するための技術なのです。
もしあなたが「そんなことは使って慣れればどうということはない」と思うかもしれません。しかしそれは、はっきりと「間違い」であるといえます。
自動車のパワーウィンドウを思い出してください。今ではほとんどの車に搭載されています。高級車であろうとリーズナブルな軽自動車であろうとです。私たちはパワーウィンドウを当たり前のものとして認識しています。慣れてしまっています。もし昔懐かしいハンドル型の窓を使ったら、若かったころの自分を思い出して気分が良くなるのは最初の1回か2回だけで、あとは多少のストレスか違和感を感じるはずです。昔当たり前でも今では当たり前ではないからです。
RIAも当たり前になりつつあります。ユーザーはいたるところでその恩恵を享受しているでしょう。自宅のPCで、店舗の端末で、会社で、もしかしたらケータイで。
あなたの会社のアプリだけ古く、ユーザーの慣れを強いるようなものならどうでしょうか? ユーザーは何らかの違和感をもつでしょう。それは仕事の品質に影響するはずです。そして本来やるべきことに集中できなくなるはずです。
その違和感の対象はアプリだけにとどまらないかもしれません。経営にかかわる大事なデータを紙か静的なHTMLで分析していませんか? もしくはお使いのPCのローカルフォルダにxlsデータを大量に保管していませんか? それは情報の共有と管理ができていない状態です。
想像をしてください。様々なデータを1つの画面でチャートを用いて視覚的に分析する業務を。そして他所でおきた変化をリアルタイムで受け取ることができる画面を。あなたはアプリやデータの取り扱いに煩わされることなく、お仕事で必要な決断をタイミングよく行えるようになるのです。
あなたがユーザとして自宅のPCから「何か」を買うとしたら? それが安い買い物でないとしたら? 家族と一緒に画面を見て商品の色や細かい仕様を変更できたら? もしくは遠距離恋愛中の恋人と同じ商品を違うPCから見ることができたら?
もしくはトレーニングなどを受けたり、教える側になったら?
数年前、遠隔地での教育は専用のテレビ電話を使っていました。
RIAならPCの画面でテレビ電話と同様なやりとりに加え、専用のアプリケーションと連携してさらにいろんなことができます。
ピアノの先生と連弾ができるかもしれませんね。音の波形を画面に出力して先生と生徒の演奏を「見た目」で比較するのも面白いですね。

2.2.1 まとめ
ここまで説明をして今更なんですが、これらの話は「RIA」だからあり得ることではありません。
ユーザビリティやインタラクションなどをいかに作りこむか、ユーザに提供をするか、というのは大切なことです。RIAと呼ばれる技術は既存技術に対しそれらを実現しやすい、またはそのような文化をもっているにすぎません。比較的新しく従来の技術よりも表現力に優れているから、そのようなポジションになっているだけです。Adobe Flexで作れば即ちRIAではないのです。仮にそうであったとしてもユーザを置き去りにしたりストレスを与えているアプリであれば価値は低いと考えます。
極端な話、Excel VBAでも使いやすいアプリはつくれるかもしれません。それがRIAの定義から外れるものであったとしてもユーザの要件を満たし使い勝手に優れているのであれば問題はありません。
ユーザの声を真摯に受け止めること。
技術力の高さ、デザインセンスを誇ることが全てではないのです。
RIAとは何か。
真剣に考えれば考えるほど、いきつく結果は当然のものになるのではないのでしょうか。